
郊外に建つL字型の平屋住宅
2022年6月、帯広市郊外に一棟のインダストリアルスタイルの平屋が完成しました。建て主は農業を営む3代目のKさん。設計と施工を手がけたのは、芽室町に拠点を置くカントリーヴィレッジ(朝日良昌社長)です。

「家のどこにいても気持ちが落ち着く」と語るKさん。現在は釣り道具などの趣味スペースとして使う書斎は、今後は事務作業の拠点にもする予定だといいます。
家づくりの出発点になったのは「みんなで過ごす空間と、ひとりになれる空間をきちんと分けたい」という要望でした。これを受けてカントリーヴィレッジが提案したのが、LDKと子ども部屋・書斎エリアを左右に振り分けたL字型のプランです。
重厚感のある外観と機能を兼ねたルーバー

外壁にはガルバリウム鋼板を主役に採用し、シャープで都会的な佇まいに。正面にはデザイン性と目隠し効果を両立させるルーバーを配し、外からの視線をやわらげながら表情のあるファサードに仕上げています。
素材で魅せる内装デザイン
玄関・シューズクローク



内装はインテリアコーディネーターの八木睦美さんとともに作り込みました。床材は板幅が一列ごとに変化するデザインに惹かれて選んだフロアタイル。足元から個性が感じられる仕上がりです。
開放感あふれるLDK

LDKの天井高はおよそ3.4m。壁面いっぱいに広がる窓から自然光がたっぷり差し込み、明るく伸びやかな空間が生まれています。

キッチン前の壁にはアイカ工業の塗り壁材「クライマテリア」を使い、モルタル調に表現。コンロ前には格子をあしらった室内窓を設けることで、油はねやにおいがリビング側に流れにくく、見た目のアクセントにもなっています。


キッチン背面には、金属を思わせるフレーム付きの平田タイル「インダストリアルガラスシリーズ」を採用。スタジオ照明をイメージさせるライトも遊び心を添えています。
家事動線への工夫

パントリーには取り出しやすく収納効率の高い縦型冷凍庫を設置。裏玄関にはスロップシンクと洗濯機を備え、農作業で付いた汚れを室内に持ち込む前に落とせる、農家の暮らしに寄り添った動線が考えられています。
ガレージのような書斎と長い廊下

配線用パイプをあえて露出させた長い廊下は、Kさんが「贅沢な空間」と表現する見せ場のひとつ。インダストリアルらしい無骨さが印象的です。

ご主人の書斎は、天井に倉庫などで使われるトタン、床にサンゲツのクラック柄モルタル調フロア「クラックモルタル」を採用。快適な作業空間でありながら、どこかガレージのような雰囲気をまとった部屋に仕上がりました。
暮らしを見据えた水まわり

造作の洗面台は「子どもが大きくなったときに並んで使えるように」と横幅をゆったり確保。蛇口はカクダイの壁付けタイプを選びました。

奥様デザインの造作棚には、タオルを下から引き出せる仕組みや、脱いだ服を入れるかごの収納など、暮らしやすさへの工夫が随所に。トイレも壁面タイル・鏡・照明の形を揃え、統一感のある空間にまとめています。
「デザインに疑問がひとつもなかった」という安心感

Kさんが住宅会社を探す際に重視したのは、予算内で断熱性能とデザイン性を両立できること。多彩なテイストを手がけながらも一棟ごとに統一感があるカントリーヴィレッジの施工事例と事務所に触れ、「デザインに迷いがない」と感じたことが契約の決め手になりました。
打ち合わせでは、書斎に使った黒いトタンをリビングにも使えないかと相談した際、面積や高さによる圧迫感、ホコリの付きやすさといった住み心地・お手入れ面まで踏まえた提案を受けたそう。ソファのサイズ変更に合わせてLDKを広げてもらったエピソードからも、暮らしの実像に寄り添った家づくりがうかがえます。

完成した住まいについてKさんは「間取りも内装も、毎日落ち着く」と笑顔。家全体の統一感がもたらす視覚的な安定感に安らぎを感じ、窓から差し込む光でしっかり室内が暖まる体感から、これから迎える冬にも期待を寄せています。
Kさま邸の他にも、カントリーヴィレッジで設計施工させていただいた農家住宅をまとめました。ぜひご覧ください。

