家の中に、少し違う『心地よさ』があってもいい

最近、朝外に出ると少し肌寒くなってきました。

まだアウターを着るほどではないけれど、何か一枚羽織って出掛けることが増えました。

ところが日中、陽射しが出ていると半袖でもいいくらい暖かい。

そして夕方になると、昼間脱いでいた羽織をまた着る。

十勝もそんな季節になってきましたね。

薪ストーブとダウンリビングのある十勝の住まいの暮らしイメージ

家の中にいても、この時期は少し似ているように感じます。

その日の天気や陽射しの入り方によって、少し肌寒く感じる日もあれば、薄着でもちょうどいい日もある。

かといって暖房をつけるほどでもない。

少し着込めば、それでちょうどいい。

この時期は、そんな微妙な調整が必要な季節なのかもしれません。

「家中同じ温度」が本当に快適なのか

住宅をつくる仕事をしていると、家の中の温度差をできるだけ少なくすることを考えます。

もちろん、冬の大きな温度差を抑えることは大切です。

ただ最近、それとは少し違うことも考えるようになりました。

そもそも「快適」と感じる温度は、みんな同じなんだろうか?

同じ家族でも暑がりな人もいれば、寒がりな人もいます。

自分自身でも朝と昼では感じ方が違うし、動いている時とゆっくり座っている時でも違います。

そう考えると、家の中全部をいつでも全く同じ環境にすることだけが、快適な住まいではないのかもしれません。

陽射しが入る場所に移動してみる

秋の陽射しが窓から室内に入る十勝の住宅

秋から冬に向かう今の季節。

窓から陽射しが入っている場所に行くと、それだけで暖かく感じることがあります。

逆に、少し暑ければ陽射しから離れた場所へ移動する。

家の中にそんな場所がいくつかあって、その時の自分が気持ちいいと思う場所を選ぶ。

そんな暮らし方もいいのではないかと思っています。

これは特別な設備をつけなければ出来ないことではありません。

窓の位置や大きさ、方角、軒の出、部屋同士のつながり。

設計の段階で考えられることは、まだまだあります。

陽射しも、入ればいいというわけではない

縦格子で室内への陽射しを調整した窓

大きな窓をつければ明るい家になる。

確かにそうなのですが、陽射しは一年中同じ角度から入ってくるわけではありません。

時間によっても季節によっても変わります。

入れたい時には取り込んで、強すぎる時には少し抑える。

窓をどこにつけるかだけではなく、その外側をどう考えるかも大切だと思っています。

光が入る場所、少し落ち着いた場所。

暖かく感じる場所、少し涼しく感じる場所。

家の中に少しずつ違う場所がある。

その「違い」をうまく利用することも、これから考えていきたいことのひとつです。

設備を使う前に、建物で出来ること

深い軒で季節の日射を調整する住宅

もちろん、暖房やエアコンなどの設備は必要です。

設備を使わない家を目指しているわけでもありません。

ただ、すぐに設備で解決する前に、

「建物そのもので出来ることはないだろうか?」

と一度考えてみたい。

夏の強い陽射しを軒で遮ったり、冬の低い陽射しを室内に取り込んだり。

風が通る時期には、その風をうまく利用したり。

そういうことを一つひとつ考えていくと、設備だけに頼らない快適さをもう少しつくれるのではないかと思っています。

その時、気持ちいい場所へ

前回のブログでは「気温・湿度・気流」について書きました。

今回はそこからもう少し暮らしに近いところを考えてみました。

家の中をすべて均一にするのではなく、その日の天気や時間、陽射しや風によって少しずつ違う場所があってもいい。

朝はここ。

昼は窓辺。

夕方はまた別の場所。

家族それぞれが、その時「ここが気持ちいいな」と思える場所を選べる家。

そんな家がつくれたら面白いと思っています。

まだまだ考えることも、学ぶこともたくさんあります。

十勝の気候や自然をもっと上手に利用しながら、設備だけではつくれない「心地よさ」を間取りの中にどう取り入れていくか。

そんなことを考えながら、これからの家づくりに生かしていきたいと思います。